旧盆【神宮寺便り133号】

今年も無事に旧盆が終わりました。沖縄では、お盆に僧侶を自宅に招いて先祖供養する（棚経）習慣が無い為、県外のお寺程忙しくありません。しかし、その1週間前が忙しいのです。今回は、そのお話し。

旧盆の1週間前と言うと、旧七夕。沖縄県民の多くは、「七夕＝墓掃除の日」と勘違いしています。そう勘違いです。正確には、「＝旧盆の準備日」です。準備には、もちろん墓掃除も含まれます。しかし、それ以外にも位牌の新調・メンテナンス・移動や香炉など仏具の新調、墓終い・永代供養などです。ご先祖様に気持ち良く里帰りして頂ける様に整える事全てが七夕になります。

ですので、この日は、山原から南部まで様々な場所にお勤めに行きます。早い人ですと、半年前に予約します。今年は、北は今帰仁村、南は豊見城市を大移動でしたし、ちょうど三連休に当たった為、連日休みなしの怒涛のスケジュールでしたが、無事に全日程終了し、各御家庭が気持ち良くウヤファウジ（ご先祖様）をお迎え出来たと思います。毎年の事ですが、大変ですね。しかし、旧盆という一年で一番大切な仏壇行事の為ですから、それに関われると言うのも有り難い気持ちです。

近年、仏壇離れ、供養の簡素化が叫ばれていますが、それと真逆で、供養やお仏壇を大切に考え、手間暇をしっかりとかけるご家族もいます。「みんなやってるから」と安易に選択せず、先ずは自分がどうしたいのかを落ち着いて考え、家族親族で話合いを持つ。と言うプロセスを選択しては如何でしょうか？