神宮寺便り
2023.11.01
真言宗立教開宗千二百年慶讃法要【神宮寺便り123号】
去った十月八日~十四日の期間、本山東寺(京都)にて「真言宗立教開宗千二百年慶讃法要」が厳かに開催されました。
東寺は、平安京造営時、最初に計画された官寺(公営寺院)です。ところが計画が頓挫し、未完の状態で三十年近く放置されていました。そこで、八百二十三年、嵯峨天皇よりお大師様に東寺が下賜されました。そこで、お大師様は、官寺→真言宗専門に経営変更を英断します。ここに現在まで続く真言宗が産声を上げました。
今回、その記念行事として法要や特別拝観が行われ、全国から僧侶と檀信徒が東寺に集まりました。
法要では、延べ百名程度の僧侶が日替わりで勤行し、裏千家家元のご献茶や新進気鋭の小松美羽さんのネクスト曼荼羅奉納など伝統の中にも新しい風が感じられる法要でした。
また、密教美術の宝庫と呼ばれる程、東寺には国宝
や重要文化財が多数あり、通常は非公開や展示して
いないお堂や仏像が特別に公開されていました。
今回、全国から参拝に来られた檀信徒の皆様を
これらのお堂に案内しました。仏像やお堂の説明だけ
でなく、歴史的背景、お大師様の心情など、真言宗や東寺を身近に感じて頂ける法話を心掛け、喜んで頂けたと思います。
最後に百年に一度の大法要にこの様に立ち会えた法縁に感謝です。

