神宮寺便り
2024.02.01
改めて考えてみる【神宮寺便り126号】
今や、完全に市民権を得たと思いますが、まとめて法事を行う繰上法要や、海洋散骨について一言申し上げます。
どちらも、終活を意識し出した団塊の世代を中心に人気が高く、希望する方が後を絶ちません。
「法事は大変だから、子供に負担を掛けたくない」
「大好きな海に遺骨をまいて欲しい」
理由は様々あります。一方、残された家族のお気持ちは
「繰上法要しましたが、もうすぐ本来の法事の日です。何かしなくて良いですか?」
「大好きだった祖母の墓参りをしたいが、散骨した為、墓が無くて困っています。」
この様な相談も急増しています。
法事や墓は、故人に関する事ですが、同時に家族や命のつながりにも関わるものです。どちらの気持ちも同じ方向を向いていたら、問題は無いと思いますが、違った場合、難しい状況になります。
やはり、その時に重要なことは、日頃のコミュニケーションではないでしょうか。お互いの意見を尊重し、一方的ではなく、どちらの気持ちも排除しない多様性があって然るべきと思います。
先日は、直葬(火葬のみ。供養無し)を選択した遺族から、本人が安心して成仏出来たのか不安です。と相談がありました。
現代のハイスピード社会から見ると、伝統的な儀式は煩わしく映ると思いますが、そこには、丁寧な心の在り方が込められた豊かな精神性も内在しています。
さて、皆さんは、何に重きを置きますか?