熊野三山巡り【神宮寺便り128号】

六月に熊野三山（和歌山県）巡り三日間を予定しています。熊野は、隣接する普天満宮の主祭神となっており、当寺と深いご縁で結ばれています。ちょうど今年、熊野三山や古道（参詣道）が世界遺産登録二十年と言う良いタイミングでもあります。

場所は紀伊半島の内陸から海辺まで広範囲に亘っています。古代から熊野川を中心に聖地として整備され、北側の高野山や吉野山とリンクする事で更に発展し、鎌倉時代には「蟻の熊野詣」として、全国区の人気を博しました。今回は、現地ガイドによる古道解説も計画しています。

三山ではありませんが、補陀落山寺もお参りします。こちらは、「補陀落渡海」と言う死出の旅で有名です。これは、僧侶が僅かな水と塩だけで乗船し、南方にあると言われている補陀落浄土（観音様の国）を目指す荒行でした。そして、これは沖縄に深く関係しています。紀伊半島沖合には黒潮が流れていて、うまく潮に乗ると沖縄に辿り着きます。それで沖縄に漂着したのが日秀上人でした。上人は、金武観音寺を創建し、浦添市経塚に金剛経を納めるなど琉球王国に真言宗を広める事に尽力しました。

毎回、珍道中になる団体参拝ですが、今回はどうなることやら、楽しみです！もちろん、私（僧侶）が全日程お供します。ご興味ありましたら、寺務所までお問い合わせください。